うえだ通信
“異端者たちの挑戦”(トヨタ発)を読んで 安部 賛 著
コロナ非常事態解除があって久しぶりの図書館で最初に手に取ったのがこの本。
吸い込まれる様に1日で読了した。
物語は、トヨタの研究所でエンジン部分のセラミック材料の実験中、爆発事故を起こし、偶然真球状シリカを創ったところから始まる。
本来のくるま部材に用途が見つからず、異分野の半導体チップ封止樹脂用フィラーに利用展開して行く過程がとっても面白い。
誰もが知っているトヨタ幹部も実名で登場してくる。
様々な困難を乗り越え会社を立上げて開発・製造・営業と話が進んで行く。
何と言ってもこの著者が当の爆発事故の担当者本人なのだから話の内容に真実味がある。 まさにノンフィクションである。
安部氏はその後、立ち上げたトヨタの子会社(株)アドマテックスの社長にまで登りつめる。
同社は今では年商160億円の中堅企業になって、まだ成長過程にあるという。
私が本書で最も興味を持ったのは安部氏が自動車業界と半導体業界の体質差に悩むところだ。
くるまは4年に1回のモデルチェンジ、一方スマホは1年に数回新モデルが出る。
石橋を叩いて渡るか、リスクを負って吊り橋を駆け抜けるか、スピード感の違いだ。
安部氏によれば、案件毎に親会社トヨタに承認をもらうには多大なエネルギーと時間を費やすことになる。
これでは迅速な経営判断が出来るはずがない。
決裁が出た頃、既に戦いは終わっていることもある。
かつて鉄鋼会社がこぞって半導体分野に参入したが、現在生き残っているところは一社もない。
何か通じるところがある。
本書のタイトルにある“異端者”とは、トヨタの社内ベンチャーでありながら、トヨタとの取引も、くるまにも縁のない分野で、企業を10人から立ち上げた異質異業種に挑戦した男たちを指している。
この本は私にとって仕事に向かう上での指針が示され、且つ勇気づけられる一冊だった。
菜園だより
ミニ人参はピクルスで食べました。 | |
ほうれん草はベーコンと油炒めやお浸しにしてゴマ和えで食べます。 | |
オカワカメはボイルしてポン酢で味付けするとビールのお供になります。
当分ピザ窯は使えません。 |
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